1901年パリ出身のデザイナー・ジャン・プルーヴェは、アールヌーヴォーの巨匠であるヴィクトール・プルーヴェを父に持ちながら、東フランスのアールヌーヴォーで鉄加工技術を身に付けました。1932年頃にアトリエを設立し、パリで知り合ったル・コルビュジエ、シャルロット・ペリアンらと現代芸術家組合を設立。シンプルかつ機能的なデザインの家具を数多く輩出してきました。
代表作としては、「スタンダードチェア」があり、学生時代を思い出させるようなオーソドックスなデザインが特徴。幅広な3Dの後脚に比べ、細いスチールパイプの前脚がとても個性的ですが、もたれかかったときに力を吸収してくれるため、快適に座れる構造になっています。ほかに、「アントニーチェア」も有名です。座面が緩やかにカーブした優しいデザインが魅力的で、デザイン・機能ともにシンプルを極めた逸品です。また、すっきりとしたフォルムが特徴的な「ゲリドンテーブル」や「ポテンスウォールランプ」も評価の高い作品です。「ポテンスウォールランプ」はスチールを塗装しただけの非常にシンプルなデザインで、自由にランプの位置を変えることができるという実用性の高さも魅力です。