フィン・ユールは1912年デンマーク生まれのデザイナーです。元々建築家であるフィンは、その彫刻的なデザインが突飛なものとして当時のデンマークの家具業界でなかなか認められず、批判と揶揄が集中する厳しい時期を経験しました。しかし、アメリカ人によってフィンの家具デザインが高く評価されるようになると、次第にデンマークでも認められるようになり、家具やテーブル上、照明などさまざまな活躍を果たすことになります。
代表作は「No.45 イージーチェア」。「世界で最も美しいアームを持つチェア」と称される洗練されたデザインは、アームが最も特徴的。エッジがナイフのように薄く研ぎ出され、3次元曲面による美しいカーブで構成されてる何とも美しいフォルムです。また、シートがフレームから浮いているように見えるデザインや、椅子の後ろ姿が美しい点などもフィン作品の特徴です。また、「チーフティンチェア」もNo.45と並び代表作と称される名作。男性的で力強いデザインと上質な座り心地が魅力で、世界中のデンマーク大使館やミュージアムに所蔵されるなど、高い評価を受けています。ほかにも「No.45 イージーソファ」や「イージーチェア No.133」など、デザイン性の高いものから量産モデルまで、実に幅広い家具を手がけています。