1902年までパリで絵画を学んだアイリーン・グレイは、工芸品などにも興味を持ち、漆塗りの技術習得のために来日したこともある、好奇心旺盛かつ意欲にあふれたデザイナー。ロンドン・パリで家具デザインに携わった後、1922年に独立しインテリアや家具デザインを手掛るデザイナーとして活動を始めました。
有名な代表作は、近代的なデザインのE1207テーブル。網管を利用し、シンプルでどんなインテリアにも馴染みやすいデザインが魅力です。また、デザインだけでなく機能性も抜群。自由自在に高さを変えられる昇降機能があるので、ベッドサイドでの利用にとても便利です。さらにこのテーブルの魅力は、その造りにもあります。支持脚が端に寄っているのでベッドの側に置きやすく、身体を動かしずらい時のベッドサイドでの食事や読書などにとても重宝します。また、ベッドサイドだけでなく、ソファの横に置くサイドテーブルとしても活躍しそう。コーヒーカップを置くのに調度よいサイズと高さです。同じような機能を持つ家具は多数発表されていますが、アイリーンのE1207テーブルほど洗練されたデザインとシンプルな造りを超えるものは未だ世に出ていないでしょう。幅広い世代から絶大な支持を得ている名作です。